目の下の皮膚切開たるみ取り ハムラ法など

ここでは皮膚を切開することによってたるみを改善する治療について書かせていただきます。くれぐれも大切なことは自分で治療方法を選ぼうとせずに、ご自身の症状や求めるものにあった治療が何であるかをカウンセリングで知るという姿勢です。また、同じ治療名であっても医療機関ごとに手技やテクニック、手術の結果は違いますので症状にあった説明をお受けになる必要があります。

皮膚のゆるみのみを改善するためには皮膚を切開してたるみを取る必要があります。
通常は皮膚のすぐ裏に張り付いている眼輪筋という薄い筋肉を斜め上に引っ張って固定します。
その時余った皮膚は切除します。
ただ単に皮膚のみを切除するという治療方法もあります。
その際に、目の下の膨らみおよびその下の影を同時に改善するためにはふくらみを作っている眼窩脂肪という脂肪を処理する必要があります。
ふくらみを減らすことで改善できそうな場合には切開しているところから量を減らします。
減らすだけでは良い形がえられない場合にはふくらみの下の影に眼窩脂肪を移動して、敷き詰めます。
それをハムラ法と呼びます。
ハムラ法は厳密にはもう少し細かな話がありますがここでは割愛します。

≪一般的な特徴≫

  • 皮膚のたるみが全面にでている場合にとても有効な治療方法です。
  • まつ毛のきわの切開線は2ヶ月くらいするとほとんど気にならない程度になります。
  • 皮膚を切開しない治療に比べて涙袋の形が術後に変わる可能性があります。
  • 皮膚の張りはでますが指で引っ張ったように小じわがなくなるとは限りません。
  • 通常治療して約1週間後に抜糸が必要です。
  • 術後に下まぶたが外反(あっかんベーの状態)する可能性がまれですがあります。
    (皮膚の取りすぎでなければ通常3ケ月以内にもどります。皮膚を取りすぎなければ外反しないという情報は誤りです。)

目の下のたるみ治療 切開たるみ取り(ハムラ法など) 症例紹介

ハムラ法+ミッドフェイスリフト症例

目の下の皮膚切開のメリット 我々の考え

皮膚のハリについて

皮膚を切開する手術は切開しない手術に比べてよりよい結果が得られると思われている方が多々いらっしゃいます。目元のハリに対しては皮膚切開はとても有効な治療方法です。しかしながら形に関しては必ずしも皮膚切開による治療方法の方がよいとは言えません。皮膚切開で得られるメリットは基本的に皮膚のハリ感です。

形を改善するだけで良く見える場合は皮膚を切開するメリットはあまりありません。そして、目元でご相談に来られた方の中で、十分にメリットがある方は実はそれ程多くはありません。

涙袋のゆるみについて

 形に関することで皮膚切開のよい適応になる症状があります。それは涙袋についてです。まつ毛の生え際にある笑うと膨らむ部分を涙袋と言います。涙袋は眼輪筋という筋肉とそれを覆う皮膚から成り立っています。この涙袋がとても緩んでいて困っている場合には皮膚切開は有効な手段だと言えます。実際、このたるみが気になりますと言ってこられる方はいらっしゃいます。その場合には皮膚の切開を検討する必要があります。

 ところが、涙袋の緩みに対して皮膚切開を行ってハリを作ったときに必ずしもお若いときのような涙袋になるとは限りませんのでその辺はよくご相談される必要があります。具体的には、ハリ感は出たけれどもそれほど膨らみのない涙袋の状態、あるいは大きな涙袋、になり得ます。切開によって涙袋を作る方法はありますが再現性に乏しい印象があります。もしかしたら絶対に目指した形を作れる先生がいらっしゃるのかも知れません。(が、ほとんどいらっしゃらないと思います。)

涙袋の緩みがあまりない場合には皮膚を切開しない方法で手術をしたときの方が涙袋の形は自然に見えると思います。ただし、涙袋の診察は簡単ではありません。なぜならば、目袋のふくらみで隠れている可能性があるからです。

 

治療を検討されている方が最も困るのは、涙袋と目元の理想的な形に関してそもそも考察のない医療機関に相談をしてしまう場合だと思います。「たるみが気になるから切開をお勧めしますよ」となった場合にはもしかしたらその可能性がありますので再度確認されることをお勧めします。

ハムラ法の特徴① 形について

目の下のたるみ治療でハムラ法をお受けになられた方を拝見する機会があります。

そして、そこでときどき思うことはどのような目元の形を目指して治療をされているのかなということです。

と言いますのは、目元はなだらかなのですが非常にのっぺりした状態になっていることがあります。

のっぺりした状態とは涙袋とその下の目元の立ち上がりにメリハリがない状態です。

ハムラ法の手術方法自体は形成外科的な手技が可能であればそれほど難しい手術ではありませんが、メリハリのある形をつくるとなると大変難しい手技になります。ですのでハリ感や形のゴールをどこに設定するかを話し合うことが大切です。

またそのときに色の変化などについても考える必要があります。

ハムラ法の特徴② 三白眼について

皮膚を切開した場合に起こり得ることとして、下まぶたの外反(あっかんベーの状態)が起こる可能性が少しですがあることです。これは筋肉の引っ張り方や切開線の拘縮などが関係しますが、皮膚の取りすぎでなければ通常は自然に戻ってきます。それでも切開をしない手術ではほとんどその可能性はないため、そのことも考慮にいれる必要があります。

目の下の皮膚切開たるみ取りのあり得るリスク・副作用・合併症

  • 感染
  • 腫れ
  • 結膜の充血
  • 血腫(内出血の強いもの)→内出血後の色素沈着が長引く可能性、皮膚の壊死
  • 目元の全体的な張りが出たとしても部分的なシワが増える可能性
  • 涙袋の形が変わる可能性
  • 涙袋が出てくるとその下の影が気になる可能性
  • 涙袋が出てこない可能性
  • 眼窩脂肪の処理の方法によっては術後1年以上の評価でクマの「色」が濃く見える可能性
  • たるみのつりあげ具合によっては(特に術後間もないころは)釣り目傾向がでる可能性
  • 上まぶたが窪む可能性←脱脂または眼窩脂肪の移動を併用した場合
  • 目が窪む可能性
  • 処置をした部分がシコリとして触れる可能性(眼窩脂肪移動部や目尻部分)
  • 眼窩下神経の麻痺が出る可能性→頬前面付近(目元から上くちびる付近)の感覚の鈍さや違和感がでる可能性
  • 下まぶたが外反する可能性(ほとんど一時的ですが、戻らない外反も報告されています。その場合には皮膚移植などが必要になる可能性もゼロではありません。)
  • 下三白眼(下まぶたが若干下に引っ張られる現象が出た場合)
  • 複視(眼窩脂肪の移動具合によって出る可能性)
  • 目が小さくなったと感じる可能性
  • 左右対称にならない可能性(全くの左右対称はほとんどありません)
  • もとに戻せないこと
  • 傷跡がゼロにならない可能性
  • 結膜の浮腫みが長引く可能性
  • CRPS(複合性局所疼痛症候群):行った処置の程度に対して説明がつかないような大きな痛みが出る可能性
  • 痛みどめなど内服薬のアレルギー反応
  • その他想定しうる範囲のことを超える体の反応があり得ること