目の下の膨らみを取ると、時にクマの色が悪化して見えることがあります。
目元のクマ・たるみの治療を考える上ではこの色の変化についても考慮する必要があります。
と言いますと、目の下の膨らみ取り(経結膜脱脂法)の欠点を書いているようですが経結膜脱脂法のメリットはたくさんありますので、ここではそういうことも視野にいれて考えるべきなんだなとご理解いただければと思います。
以下に述べる症状は経結膜脱脂法を行うと必ず出るという訳ではありません。
また、色調の変化として暗く見えるのは経結膜脱脂法のみではなく、我々が行うどの手術方法でも可能性はあります。しかし、経結膜脱脂法が手術方法の中では最も出やすいと思われます。ですのでその辺も考慮して治療方法をご提案(ご相談)することが大切であると考えております。
また、細かく診察することで術前にある程度の予測がつきますのでその辺はよくご相談されるとよいと思います。
ここでは個人的な考えを述べております。
症状別解説でも述べましたが、クマの内側の「分かれ目」についてです。
膨らみが無くなることで「分かれ目」がはっきりしているパターンです。とくに窪んでいる訳でもなく、内側に段差が生じている訳でもなく分かれ目が強調されております。
また、それと同時に「青暗いクマ」がでております。
この原因は解剖学的な要因によるものです。これは手術方法の選択によって防げる場合と難しい場合があります。(どういう条件を満たせば目立たなく、どういう条件であれば目立つのかについてはここでは深く触れません。)
なぜ経結膜的眼窩脂肪組み換え術を基本とした内部処理を行ったり、補助として難しいエリアへの微細分離脂肪注入をしたりするかが少し分かっていただけると思います。これに対する考察は世の中ではほとんど行われておりません。(H25.5現在どこにもない情報かもしれません。)
当院にご相談に来られる方の中に、とても奇麗に脱脂術をお受けになられていて、この症状で来られる方がたくさんいらっしゃいます。
お写真をよく見ていただきますと膨らみの辺縁と分かれ目は一致していません。また、段差が無くとも分かれ目が存在することもおわかりいただけると思います。
大変難しい領域ですが、個人個人の症状に合わせて深く考察をしてくれるクリニックでご相談されることが大切です。
膨らみがなくなったときの皮膚そのものの色の変化のように見えます。実際には、目に見えないレベルの小じわの乱反射および単位面積当たりの色素密度の上昇などが影響していると考えておりますが想像の域を超えません。①の方の色の変化の要素もあります。この方はもう少し膨らみを取らないと完全に膨らみが無くなったように見えません。治療の焦点を膨らみとその下の影にだけあてるなら、もう少し取った方がよいと思います。しかしながら、さらに膨らみを取ると茶色味は増します。この辺は好みになると思います。
ちなみにこの方は取った脂肪を適切な場所に注入しております(脱脂+脱脂分注入)。それでもやはりクマが残ってしまっています。より良くしたければ別の治療方法で可能です。