「目の下の脱脂(経結膜脱脂法)をするとシワが増えませんか?」とよく聞かれます。
ここでは、経結膜脱脂法術後の目元のシワについてお伝えします。
経結膜脱脂法を行うとシワが増えることがあります。
半分以上の方は特にシワが増えた印象はありませんが、何割かの方はシワが増えていると思います。
厳密には元々あるシワがやや深くなっていることもあれば、新たにシワが出てくることもあります。
また、無表情では特にシワが増えていなくても笑うと手術前よりも目元がシワっぽくなることもあります。
シワには主に二通りの出方があり、一つは明らかな線として出てしまう場合と、もう一つはチリチリした小じわ(ちりめんジワ)が増えてしまう場合、またはその両方があります。
メイクをしていなければ気になりませんが、メイクをすると気になることもあります。
逆に、まれですがシワが浅くなることもあります。
それは特に涙袋と目の下の膨らみ(眼窩脂肪による膨らみ)の間のシワが、膨らみがなくなると押し上げがなくなったことによってシワが逃がされるようです。
例えば20代で経結膜脱脂法をお受けになった場合と40代でお受けになった場合にはやはり40代で受けたときの方がシワは出やすいと思います。
ただし、これは傾向であり、40代の方でも全くでないこともあれば、20代でもまれですがでることもあります。
経結膜脱脂法をお受けになられた方の1年後の経過をたくさん拝見しますと、肌が乾燥気味の方はシワが出やすい印象があります。
やはり、地道な保湿が大切かと思います。
「術後にシワが増えた場合に何か治療方法はありますか?」というご相談をいただきます。
シワの治療は本当に難しいですが、よく行われる治療方法はベビーコラーゲン注射、PRP(多血小板血漿)注射やフラクショナルレーザー、ヒアルロン酸注射などが適応となります。
膨らみが無くなった分の皮膚の余りがシワとして出ますので、完全に無くすことはやはり難しいのではないかと思います。
「脂肪注入でシワがきえますか?」とも聞かれることがありますが、脂肪注入は大きな形を作る上では有効ですが、シワを消すには効果に限界があります。
大きな皮膚のたるみが出た場合には皮膚の切開によるたるみ取りが適応となることもあります。
(ただし、皮膚を切開する手術を行ったとしても小じわを消すことは難しいです。)
「経結膜脱脂法以外の目元治療を受けた場合にはシワはどうですか?」と聞かれることがありますのでここで触れておきたいと思います。
結論から言いますと、どのような治療を受けたとしても膨らみを減らす治療を受けた場合にはシワは増える可能性があると思っておいた方がよいです。
経結膜的眼窩脂肪組み換え術は眼窩脂肪を基本的には減らす手術ではありませんが、それでも増える可能性はゼロではありません。
ただし、経結膜脱脂法または経結膜脱脂法+脂肪注入などよりはシワは出にくい傾向にあります。
特に、経結膜的眼窩脂肪組み換え術は笑った時のシワっぽさが他の方法に比べて出にくい印象があります。
(今現在はそう思っておりますが、また検証を重ねて考えが変わる可能性もゼロではないと思います。)
また、眼窩脂肪をとくに治療せずに、ヒアルロン酸注入や脂肪注入単独で治療を行った場合にはシワは基本的に増えないと考えておいてよいと思います。