目元のシワはとても気になる症状です。
大きなたるみが無くともシワがあるとやはり年齢を感じさせてしまいます。
実は目元の小じわを治療することは大きなたるみを改善することよりも難しい場合があります。
目の下の大きなたるみは形を整えることによってかなり良くなったように見えるのに対し、シワは深いシワからちりめんジワまで様々な程度で存在し、意外にもそれらをまんべんなく改善させることはとても難しいと言えます。
ここではベビーコラーゲンを中心とした目元に対するコラーゲン注射についてお伝えしていきます。
ここではベビーコラーゲン注射の症例紹介をおこなっております。
リスク:内出血、むくみ、アレルギー反応、血流障害、凹凸感、しこりの形成などあります。
費用:7.7万円~13.2万円(税込み)
コラーゲン注射という言葉は何となく聞いたことがあるのではないでしょうか。
コラーゲン注射を理解するためには、コラーゲンというものが何かということになりますのでここで少し触れておきます。
人の体の皮膚は実はとても硬い臓器になります。
人間の皮膚を力ずくで引っ張ってもそう簡単には破れません。
この硬さこそがコラーゲンから由来しているものです。
また、怪我をしたときには傷がよりしっかりした硬い組織で治ります。
これもコラーゲンのおかげです。
コラーゲンは人の体を作っているたんぱく質の一種類で、すべてのたんぱく質の量の3分の1を占めています。
体の構成成分の一つであるコラーゲンを人工的に精製したものを注射します。
それによってシワを埋めたり、肌質の改善に応用します。
美容目的のコラーゲン注射が最も行われるのは顔の軽度のシワを浅くすることです。
具体的には口横のシワや目周りのシワ(カラスの足跡のようなシワ)、唇のシワなど比較的小さなシワを浅くする目的で使用されます。
目の下の軽度の影やクマの色に対してコラーゲン注射が効果的です。
すべての症状を改善できるわけではありませんが、自然な効果を得ることができます。
コラーゲン注射の種類は大きく2種類に分けられます。
一つは牛由来のコラーゲン注射で、もう一つは人由来のコラーゲン注射です。
牛由来のコラーゲンはアレルギー反応がおこることがあるため、予め皮内テストを行う必要があります。
一方、人由来のコラーゲンはアレルギー反応が起こりにくいと言われています。
また、牛由来のコラーゲンは人由来のものに比べて効果の持続期間が短い印象があります。
人由来のコラーゲンにはいくつかの製品がありますが、その中の一つとしてベビーコラーゲンというものがあります。
コラーゲンはその型によってⅠ型、Ⅱ型、Ⅲ型・・・というように分かれています。
その中で近年、Ⅲ型コラーゲンが皮膚の再生能力に関わっているとして注目されています。
キズが治っていく過程の最初の段階でⅢ型コラーゲンが増え、やがてⅠ型コラーゲンに置き換わっていいくことでキズの修復が進みます。
その、Ⅲ型コラーゲンを多く含んだ人由来のコラーゲンがベビーコラーゲンになります。
≪ベビーコラーゲンのコラーゲン配合≫
Ⅰ型:Ⅲ型=50:50
≪コスモダームのコラーゲン配合≫
Ⅰ型:Ⅲ型=95:5
目元のシワに対する治療方法はいくつかあります。
たとえば、ヒアルロン酸注入やグロースファクター(成長因子)注入などあります。
その中でもベビーコラーゲン注射を実際に使用している中でいくつかの利点を感じますのでそのことについてお伝えします。
目元のシワは症状としては小さなものになりますが、そのシワを消そうと思うと意外と手ごわい症状であることが多いです。
例えば、あまり硬くないヒアルロン酸を注入することによってシワを浅くしたりもしますがシワの周辺も少し盛り上がってしまうことがあります。
ところがベビーコラーゲン注射ではそれほど余分な盛り上がりが出にくいという特徴があります。
ヒアルロン酸であれば注入後のむくみ感(?)によって期待しない盛り上がりができることがある一方で、ベビーコラーゲン注射はそれが出にくいうことになります。
グロースファクターは綺麗に反応すると質感を含めてとても良いものですが、膨らみ過ぎのリスクを常に考える必要があります。
ベビーコラーゲンは皮膚の色やテクスチャーとマッチしており、注入したところが馴染みやすいという特徴があります。
一方、ヒアルロン酸注入の場合には青白っぽく見えるチンダル現象と言われる状態になることがあります。
ベビーコラーゲン注射は2週間以降で皮膚の質感がさらに良くなることがあります。
肌質の微妙な評価であるため他人からは分かりにくいこともありますが、ベビーコラーゲン注射を受けられた方々から複数言われますので実際に変化があるのだと思われます。
ベビーコラーゲンはシワや影を浅くする注入製剤ですので、症状が改善すればどのように使用しても問題ありませんが、注入剤としては比較的高価なものになります。
大きな影を浅くする目的でベビーコラーゲン注入をできなくはありませんが、費やしたコストに見合わないこともありますので症状によってはヒアルロン酸注入を併用するなどを検討してもよいと思います。
目元のクマには「様々な原因」による「様々な症状」があります。
目の下のハの字の段差によるクマなどに対してベビーコラーゲン注射をお受けになられている方の施術後の状態を拝見しますと、白っぽいような色調で浮いて見える方がときどきいらっしゃいます。
そのような症状を見るため、クマの症状によってはベビーコラーゲンによる改善をお勧めできない場合があります。
目の下の内側の微妙な段差によるクマなどはとても綺麗になることがあります。
涙袋を比較的簡便に形成する方法としてヒアルロン酸注入によるものがあります。
ベビーコラーゲンを涙袋形成に注入している方を拝見しますと何人かの方は部分的に白っぽく浮き出ていることがあります。
同様の注入方法をヒアルロン酸注入で行った場合にはヒアルロン酸独特の透け感が出る状態だと推測されます。
この場合はヒアルロン酸注入の方がむしろ違和感が少ないです。
注入されたベビーコラーゲンが白っぽく浮いて見える涙袋は大変違和感があることがあります。
ヒアルロン酸であればヒアルロン酸分解注射によって改善が可能ですが、ベビーコラーゲンの場合にはそれが代謝されるのを待つ必要があります。
目周りのシワに対するコラーゲン注射は極めて細い針を使用して細かく注射をしていきます。
一つのシワに対して何度も針を刺す必要がありますが、針自体がとても細いためほとんどの方はその痛みに対して特に麻酔を必要としません。
例えば表面麻酔(塗る麻酔)を使用するとさらに痛みを感じにくくなります。
また、ベビーコラーゲン自体にも麻酔成分が含まれています。
出来るだけ痛みを感じにくく治療をしたい場合には、鼻マスクによる笑気麻酔を併用することが可能です。
目元の影を浅くする目的で注入する場合には0.5ccから多くて1cc程度を使用することがあります。
目の下の影でそれ以上必要な症状の場合にはむしろヒアルロン酸注入などを検討してもよいかもしれません。
目元のシワに対してベビーコラーゲンを注入する場合には左右合わせて0.5ccくらいが必要十分であることが多いです。
ベビーコラーゲンの注入剤の中に麻酔成分(0.3%リドカイン)が含まれているため、注入後からほとんど痛みを感じることはありません。
ときどき痛みを感じる方がいればそのようにお伝えしますが、今のところ目元のシワに対するベビーコラーゲン注射によって注入後に痛みを感じた方はいませんでした。
注入直後は注入箇所が多少盛り上がります。
直後に見える盛り上がりは翌日には半減します。
その後の微妙な盛り上がりが一週間程度で平らになってくるイメージです。
結果的には注入翌日から腫れを感じることはほぼありません。
ベビーコラーゲンは細い針を使いますので注入箇所に点状の内出血を起こすことがあります。
点状の内出血が出た場合には2日から1週間程度で消失しますが、場合によっては2週間程度かかることも想定内としてあり得ます。(今のところはありません。)
目元のシワに対するベビーコラーゲン注射による効果の持続期間はおおむね半年から一年程度と言われます。
初回注入後の次に追加注入を希望される方で多いのは施術後3ヶ月から半年の時期です。
この時期は完全に効果が無くなっていませんがもっとも皮膚の良い状態のときに比べると若干効果が落ちてくる時期です。
注入してから2週間から1ヶ月くらいのときはとても良い効果を実感する方が多く、その効果の衰えが少し見るころに追加をしたくなるものと思われます。
ベビーコラーゲン注射は皮膚の質感の改善も期待できる注射です。
直後からその効果は実感できますが、2週間以降くらいでさらに皮膚の質感の改善を感じることがあります。
しかしながら、そもそも目の下にシワがある方は皮膚が乾燥していることが多いということがあります。
そのため皮膚のハリをできるだけ保つためにも保湿は大切です。
保湿以外の特別はケアは必要ありませんが、その保湿によってできるだけ固定ジワを作らないようにする必要があります。
目の下や目尻のシワに対してベビーコラーゲン注射は非常に有用な治療ですが、特に目尻のシワや目の下の目頭付近の小じわに対してはボトックス注射を併用するとシワの改善はより効果的なものになります。
また、効果の持続期間の延長効果も期待できます。
ベビーコラーゲンの注入は基本的に安全な施術ですが、注射という医療行為である以上ある一定のリスクがあります。
ベビーコラーゲンは人由来のコラーゲンであるため、牛由来のコラーゲンに比べるとアレルギー反応が出てしまうリスクはうんと少ないのが特徴ですが、絶対に出ないとは言い切れません。
万が一、アレルギー反応が起こった場合は注入した部位の発赤、膨らみ、ビラン、痒みなどが起こることが想定されます。
アレルギーを抑える内服薬などによって経過を診る必要があります。
浅いシワなどに注入を行った場合、ヒアルロン酸注入などに比べると凹凸感は出にくいですが全く出ないということもありません。
気になる場合には綿棒などでならすと多少の改善がみられます。
ヒアルロン酸や脂肪注入での報告があるようにコラーゲンの注入によっても血行障害が起こる可能性があります。
注入による血行障害は注入した物質が動脈に詰まってその先の血流が悪くなって起こります。
これは極めでまれに起こることですが、可能性はゼロとは言えません。
血行障害が起こると皮膚のびらん・潰瘍・壊死、目回り付近であれば最も重篤な症状として失明などが考えられます。
万が一、視力障害などの症状があった場合には緊急で専門機関を受診する必要があります。
目周りのベビーコラーゲン注入の一般的な費用は
1.0cc 10~25万円
程度が多いようです。
ヒアルロン酸注入に比べるとやや高価な施術と言えます。
ベビーコラーゲン注射は国内未承認薬品です。
副作用・リスク:内出血、左右差、アレルギー反応、効果の乏しさ、凹凸感、感染症など
治療に用いる医薬品および機器は当院の医師の判断の元、個人輸入手続きをおこなったものです。