クリニック移転のお知らせ

2017年11月11日にあびこ駅前クリニックは東京都内へ移転いたしました。
移転に伴いクリニック名をプラストクリニックへと変更となりました。
ご不便をおかけしますが何卒宜しくお願い致します。

目の下のクマ・たるみ治療 脱脂による色の変化の考察

目の下の「クマ」の治療を目的に「目の下の切らない治療」を行うことがよくあると思います。

ところがクマの治療の目的で治療を受けたのに「クマが悪化した」というご相談をいただくことがよくあります。

そして「皮膚を切らない目の下のクマの治療」の一つに経結膜脱脂法があります。

綺麗な経結膜脱脂法をお受けになられているにも関わらずよく聞く「脱脂の失敗」の一つをここでわかりやすくご説明します。

このよく聞く「脱脂の失敗」のパターンはいくつかありますが今回は「クマの色」に着目してお伝えします。

 

まずは「治療前の症状が似ている二人の方」の術前・術後のお写真をご紹介します。

治療前の症状は目の下がぼんやり膨らんでいいて、赤色および茶色のクマが存在しています。

またお二人とも全体的な皮膚の色が似ています。

写真の撮影方法はお二方とも全く同じ方法で術前・術後ともメイクなしの状態で撮影しております。

頬の赤さが術前と術後で違うのは気温による頬の赤みの違いと思われます。

結論から言いますと術後のクマの色に大きな差があることがお分かりいただけると思います。

この違いは目の下の内部の処理の仕方にあります。

 

目の下のクマは「色」「光の当たり方」が密接に関係していることを、「目の下のクマの色と形の関係」のページでお伝えしておりますが、今回はそれとは全く違うお話です。

 

左の方の解説(経結膜脱脂法)

左の方は色々ご相談した結果

  • 目の下の「赤いクマ」を改善したい
  • 目の下の膨らみは気にならない

ということでした。

 

赤いクマは手術で治療できる場合と出来ない場合がありますが、診察の結果、今回はできる可能性が高いと判断したため治療をさせていただきました。また、赤い色を改善するのみであれば経結膜脱脂法でも可能と思われましたが、そのときに茶色みが増してくる可能性が高いことをお伝えし、それを回避したければ内部処理を行うことで回避できる可能性が高い旨をお伝えしました。

ご本人様は茶色みの増加は気にならないということで、経結膜脱脂法をご希望されました。

そこまでのことを理解していただいた上で今回は膨らみを減らすことではなく、赤みを減らすことを目的に治療をさせていただきました。

実際には治療中に「赤みの減り具合」「茶色みの増し具合」を見てもらいながらどこまで治療するかを決めました。

膨らみを無くすことが治療の目的ではありませんので膨らみは残っています。

ちなみに膨らみをさらに減らすと茶色いクマはもっと茶色くなります。

右の方の解説(経結膜脱脂法を行わずに内部処理のみまぶたの裏から施行)

右の方は色々ご相談した結果

  • 目の下のクマ・膨らみを改善したい
  • クマの茶色みが増すことを極力回避したい
  • クマの色調のトーンを極力下げたくない

ということになりました。

 

今回の症状の場合、膨らみを減らすこを目的とするのみであれば経結膜脱脂法で十分です。しかしながら、経結膜脱脂法で膨らみを減らすと先ほどと同じで茶色みが増してきます。

それを極力回避する目的で経結膜脱脂法を一切行わずに内部処理のみをおこなっております。

その結果、術前の赤みが消えるのみではなく茶色みも薄くなりました。

ちなみにこのような症状で術前に「内部処理をすれば茶色みも消えますよ。」とは私は絶対に説明しません。

回避傾向にあっても消えないことは多々あるからです。

この違いはどうして起こるのでしょうか

どのような条件を目の下の内部で満たせばこの現象が回避されるのかということに由来します。

この現象の回避には外からの光の当たり方という外部要因だけではなく内部要因を満たさなければなりません。

この条件を満たすための実際の処理方法は医師の個々の手技によるところが大きいと思います。

お考えの治療の目的は何でしょうか

経結膜脱脂法をお受けになられた方が、クマが悪化したというご相談にこられることがあります。

拝見しますと綺麗な経結膜脱脂法をお受けになられている方もたくさんいらっしゃいます。

その多くに上の左の方のような色の変化で来られます。

「クマが悪化した」「窪んだ」という表現をよくされますが、実際には窪んでいるというよりは色の変化でお困りであることが多いと思います。

「その回避方法については説明がありませんでしたか?」と伺うと無かったと言われます。

本当になかったのか、説明を忘れてしまったのかは分かりませんが、歴史的にみて目元のクマやたるみ治療に関しては経結膜脱脂法の限界を克服するために様々な内部処理の方法が世界で報告されていますので術前の説明が全くないというわけではないのだと思います。

ご相談にこられた方は「これはくぼみではなく色素沈着だからあとは色の治療が必要だと言われました。」とよく耳にします。

半分は正しいと思っております。色であることには間違いないからです。

あるいは「ヒアルロン酸を入れてあげると言われました。」ともよく聞きます。

クマを改善したいのか、膨らみやそれに伴う影を無くしたいのかによって治療前の計画が違ってきます。

クマの治療には注入が必要?

「経結膜脱脂法による色の変化の考察」は極めて難しい領域です。

大前提として経結膜脱脂法ではなく、外からの注入でもなく内部処理のみでこのクマを解決する技術がなければこの領域のお話はできません。(ただし内部処理ですべてのクマが解決できるわけではありません。ほとんど意味のない症状の方もいます。)

 

例えばこの現象の回避方法が脂肪注入であるという話があったとしたらそれは違うと思います。

脂肪注入は経結膜脱脂法と併用されることが多いと思いますが、多くは「色」ではなく「形=光の当たり方」に対して効果を発揮します。

治療の目的に応じてそれは本当に必要なのか、数年後も回避されているのか。

もしこの現象の回避方法の提案が脂肪などの注入のみであったとしたら内部処理に精通していないがために、その提案をされている可能性がないかを念のために確認されるておくとよいかも知れません。

内部処理で解決できた場合はこの現象に対しては他に勝る治療方法はないと断言できます。

経結膜脱脂法をするということは内部処理に使う一部の材料を捨てるということになります。

そして、その脂肪は二度と戻ってきません。

(ちなみに「取り出した眼窩脂肪を外から注入すること(脱脂+脱脂分注入)」と「内部処理の一部に眼窩脂肪を使うこと(経結膜的眼窩脂肪移動術などを含む内部処理)」は同じ眼窩脂肪を使うといっても結果が全く違います。様々な組織移植をする形成外科医の常識です。)

目の下のクマの治療に脂肪注入をするのであれば目的をはっきりしてそれ相応の理由が必要だと考えております。

脂肪注入や他の注入が内部処理のみで得られる結果を超える場合はその方法がよいと思います。

クマの治療は奥が深い

クマの症状は本当に様々あり、内部処理のみでとてもいい結果がでることもあれば手間暇をかけるほどの効果がでないこともあります。内部要因だけではなく、外部からの光の当たり方も考慮しないといけません。また、どのような方法を選んだとしても魔法のようには綺麗にならないことが多々あります。専門的な知識を持たない一般の方が判断できるような簡単なお話しではないことも想像に難くありません。

ただひとつ言えることは膨らみやくぼみだけを評価して安易に治療計画を立てるという姿勢は得策ではないということです。

(例えば、経結膜脱脂法をしてヒアルロン酸を入れるという治療方法は簡単ですが、本当に治療をお考えの方のためを思っての治療かどうかは?不明です。でも、価値観があえばとてもいい治療方法だと思います。)

医師としては様々な治療方法による結果を想定し、天秤にかけて個々の症状を診察をする必要があります。

 

上記でお示ししました症例は全然完璧な手術ではなく、私自身、反省点がたくさんあります。

あくまで一つの傾向のおはなしととらえていただければ幸いです。