ここでは涙袋と目の下の膨らみの関係についてご説明いたします。
また、その膨らみを減らす経結膜脱脂法と涙袋の関係についてもお伝えいたします。
涙袋は目のまつ毛の生え際にあるぷっくりとした膨らみのことを言います。
一方、目の下の膨らみと言われる部分は眼窩脂肪という脂肪の突出によるもので目袋という言葉で涙袋とは区別されます。
詳しくは「目の下の各名称について」をご覧ください。
涙袋は表面から「皮膚 - 筋肉(眼輪筋) - 瞼板」の順で構成されている膨らみです。
また、笑うと涙袋が大きくなるのはこの眼輪筋の収縮によって起こります。
下の図を見ていただくとわかりますが、無表情のときの涙袋と笑った時の涙袋は大きさが違います。
無表情の時の涙袋の範囲を超えた部分が笑った時の涙袋になります。
ほくろの位置に注目するとわかりやすいです。
涙袋が元々ある人と、ない人(表面から見えない人)がいます。
表面から見えない人のうち、涙袋の下に目袋の膨らみがあるために隠れてしまっている方と、目袋の存在に関係なく涙袋が見えづらい方がいます。
これは眼球と頬との位置が関係したり、涙袋を構成する組織の厚みの個人差であったりします。
涙袋があると目元が立体的で可愛らしく見えることから、涙袋が欲しいと思われる方はたくさんいらっしゃいます。
涙袋は見た目のお話しであり、涙袋が特別何かの機能を持っている訳ではないので無くても困るものではありません。
涙袋は年をとるとだんだん張りが無くなってきます。
そして、膨らみ感が無くなる分特に外側で縦の幅が広がってきます。
また、涙袋の下にシワができやすくなります。
涙袋を作る方法は主に5つあります。
①ヒアルロン酸注入による涙袋形成
②経結膜脱脂法によって出てくる涙袋
③皮膚切開+眼輪筋を利用した涙袋形成
④涙袋プローテゼの挿入
⑤経結膜アプローチの埋没法による涙袋形成
涙袋を作る上で最も簡便で多く行われている方法は①のヒアルロン酸注入による方法です。
ところが目の下に膨らみがあって涙袋が隠れている場合にはヒアルロン酸注入を行っても涙袋が出づらい場合があります。
詳しくは「涙袋のヒアルロン酸注入とその注意点」をご覧ください。
目の下の膨らみで涙袋が隠れている場合にはまず経結膜脱脂法による目の下の膨らみを減らすと涙袋が出やすくなります。
目の下の膨らみを減らすだけで涙袋が出る方もいれば、減らすだけでは出ないけれどもヒアルロン酸注入を併用すると涙袋が作れるようになる方もいます。
ただし、中には経結膜脱脂法を行ってもさらにヒアルロン酸注入を追加しても涙袋が作りづらい方もいらっしゃいます。
少なくとも目の下の膨らみがあって涙袋が隠れてしまっている方は経結膜脱脂法を行ってからでないと涙袋形成は難しい場合がほとんどです。
目の下の膨らみの治療は経結膜脱脂法のみではありません。
経結膜的眼窩脂肪移動術(裏ハムラ法)による目の下の膨らみ・たるみ治療もあります。
どちらかというと経結膜脱脂法と経結膜的眼窩脂肪移動術を比較すると経結膜脱脂法の方が涙袋は出やすい印象があります。
これについてはこちらのページ(経結膜的眼窩脂肪組み換え術)の「経結膜的眼窩脂肪組み換え術と脱脂+微細分離脂肪注入との形の比較」が参考になると思います。
経結膜脱脂法と直接関係ありませんが、涙袋のテーマでついでにたれ目形成について触れておこうと思います。
たれ目形成は文字通り下まぶたの外側を下にさげてたれ目のように見せる手術です。
たれ目形成のアプローチ方法はまつ毛の生え際の皮膚を切開する方法とまぶたの裏から行う方法があります。
皮膚を切開するアプローチではほとんどの場合、もともとあった涙袋が消失してしまいますので注意が必要です。
涙袋をできるだけ温存したい場合にはまぶたの裏からアプローチする方法を選択した方がよいと思います。
涙袋と目の下の膨らみを中心のお話しをしました。
涙袋が欲しい方は目の下の膨らみを改善することで出てくることがありますのでご検討されるとよいと思います。