目の下のクマ たるみ ヒアルロン酸注入

ここでは目の下のクマやたるみに対するヒアルロン酸注入による治療について書いております。くれぐれも大切なことは症状に合わせた治療方法をカウンセリングで聞くという姿勢です。

今ある症状に足し算をして目立たなくする方法です。

たとえば膨らみがある場合は膨らみを本当になくすのではなく膨らみに合わせて注入することで膨らみがあたかも無くなったように見せる治療です。

目元へのヒアルロン酸注入は他の部位(例えば法冷線)への注入とは比べものにならないほど高度なテクニックが必要です。

≪一般的な特徴≫

  • 手術ではないため体への負担は少ないです。
  • 内出血が出る可能性があります。(極力でないようにする工夫はできます。)
  • すべてのクマやたるみを改善できる訳ではありません。
  • 吸収されてやがてなくなります。(と言われていますが必ずしもそうではないです。後述)
  • 浅いところに注入すると青っぽく見えることがあります。
  • 浅いところにいれると凹凸感がでることがあります。
  • シワへの注入とたるみや窪みへの注入は全く異なった注入方法で行います。(受ける印象は同じかも知れません。)
  • 結果が好きでない場合は分解注射で元に戻すことができます。

目の下のクマ・たるみ ヒアルロン酸注射 症例紹介

ここではヒアルロン酸注入による目の下のクマ・たるみ治療の症例紹介をおこなっております。
リスク:内出血、むくみ、アレルギー反応、血流障害、しこりの形成などあります。
詳細は後述しております。
費用:1cc 6.6万円または9.9万円(税込み)

ヒアルロン酸対その他の注射(充填物質)

よく耳にする言葉です。

安価で、お手軽で、効果が永久的にもってくれる治療があると嬉しいと思います。

実際、世の中には半永久的に成分がなくならない注射(充填物質)が存在します。

ところが、半永久的にもつ成分はヒアルロン酸と決定的に違う特徴があります。

それは、「分解できない」ということです。

もし、半永久的に成分がいとどまる注射がとても安全でいつでも分解することが可能であれば、とても素晴らしいものだと思います。

しかしながら現状、分解できないのです。

単純に申しますと、取り除くことが不可能な注射をお顔に受けることに抵抗がなければ問題ないと思います。

普段、私がそこまでお話をさせていただきますと、みなさんそれは望まれていないようです。

たまたまかもしれませんが全員です。

価値観は人それぞれですので好みにあった治療をお受けになることがよいと思います。

確かにヒアルロン酸は永久的ではありませんが、「分解できる」というのはとても大きな特徴だと思います。

 

再生療法の注射などはまた別の機会に書かせていただきます。

ヒアルロン酸注射の限界について

目の下の膨らみやたるみや凹みなどのクマに対してヒアルロン酸注射を行うことである一定の効果を期待できますが、限界というものも存在します。

たとえば大きな皮膚のゆるみに対してはどうしても対応しきれないことや目の下の膨らみがとても強いとその影を隠しきれないなどです。

目の下の膨らみが強い場合に無理やりヒアルロン酸を注入すると元々の膨らみとヒアルロン酸による出っ張りが一致して大きな膨らみに見えることがあります。

皮膚のゆるみが強い場合には皮膚切開によるたるみ取りを検討したり、目の下の膨らみがとても強い場合には経結膜脱脂法によって目の下の膨らみを減らす方が現実的ということもありますので症状と照らし合わせてヒアルロン酸注射を受けるかどうかを検討する必要があります。

ヒアルロン酸はなくなる?

ヒアルロン酸は半年くらいでなくなります、と世間ではよく言われます。

ここで目の下のたるみが気になってご相談にこられた方をご紹介させていただきます。

治療1週間後の経過です。

どんな治療をしたかおわかりでしょうか?

 

診察で拝見した瞬間に「あっ」と思いました。よくよく伺うと4年前に他院様でヒアルロン酸注射をお受けになられたとのことでした。ヒアルロン酸によるたるみの可能性が高いと思い、そのことをお伝えし、ヒアルロン酸を分解する注射を行いました。結果、たるみ(膨らみ)は軽減されております。

目元の手術でご相談に来られる方の中に、以前に目元にヒアルロン酸注入をお受けになられたことがある方がかなりいらっしゃいます。ずいぶん昔のことなのですっかり忘れていたり、ヒアルロン酸注射をお受けになられたときも「半年でなくなりますよ」と説明を受けられているためなお一層、すっかり忘れていたりします。さらには、いくつかのクリニックを受診してそんな昔のヒアルロン酸はもう無くなっているはずだと説明を受けられ、我々のところへ目元のたるみのご相談に来られる方もいらっしゃいます。

 

お写真からもおわかりのように必ずしもヒアルロン酸は半年程度でなくなるわけではありません。

目の下の手術をたくさんすれば分かりますが、4、5年前のヒアルロン酸が残っていることはざらにあります。
(9年前のヒアルロン酸が先日でてきました。2014.5.30追記) 

なので、目の下の手術を検討されている方は必ずヒアルロン酸注射をお受けになられたことをお伝えした方がよいです。(あえて、隠してしまうと手術中にあけてびっくりの状態になる可能性がありますので必ずお伝えした方がよいです。) 

→ 手術中に出てきたヒアルロン酸についてはこちらが参考になると思います。

逆に、「半年もたっていればヒアルロン酸はなくなっていますよ。」と説明を受けた場合はそこで手術をお受けになることは控えた方が・・・。あまり手術をしていないのかもしれません。

手術をされない美容皮膚科の先生が半年でヒアルロン酸はなくなりますよと説明されているとしたら、それは手術で目の下を実際に見ていないのでしょうがないのかも知れません。

ヒアルロン酸の種類と残り方についてはまた別の機会に書かせていただこうと思います。

 

ここで大切なことを二つ

ヒアルロン酸が物質として残っていることとヒアルロン酸の効果が残っていることは別であるということを知っておくことです。

もう一つは、先ほどのお写真の方を見て、「なぜ4年前にこのような治療を受けたのか?」「分解したときの方がたるみが少ないので受けない方が良かったのでは?」と思われたとしたらそれは違います。治療をお受けになられたときはきっと良かったはずです。時間とともにお写真のような状態になったはずです。これはヒアルロン酸が粘弾性の液体であることと、その入っている場所がどういう条件かによってこのような経過になり得ます。これは決して失敗ではありません。目元の解剖をよく知っていれば、このようにならない範囲でヒアルロン酸を注射することも可能です。(が、効果に限界があることもあります。)

いずれにしてもヒアルロン酸は分解できる注射ですので対処法があるかと思います。

目の下のヒアルロン酸注入によるたるみのもう一つの出方

目の下のくまやたるみに対して注入したヒアルロン酸がなくならないことを述べたついでにもう一つ関連したお悩みをお伝えします。

 

以前に、涙袋を形成する目的でヒアルロン酸を入れた方が、「最近、目の下のたるみがひどくなってきました。」とご相談に来られることがあります。

その場合にはもしかしたら涙袋のヒアルロン酸によってたるみが出たように見えている場合がありますのでそちらも合わせて知っておかれるとよいと思います。

 

詳細は涙袋のヒアルロン酸注入とその注意点のページを参照されてください。

目元のヒアルロン酸注入のあり得るリスク・副作用・合併症

  • 量によっては2日ほど腫れる可能性
  • 永久効果を期待できない
  • 注入したヒアルロン酸成分が長年なくならない可能性
  • 内出血→強く出ると内出血後の色素沈着が長引く可能性
  • 注入したヒアルロン酸をコロコロ触れる可能性
  • 左右対称にならない可能性(全くの左右対称はほとんどありません)
  • 青白く見える可能性
  • アレルギー反応→赤く腫れます
  • 異物反応性肉芽腫ができてシコリとして触れる可能性
  • 時間とともに期待しない形になる可能性
  • 注入直後よりもむくんだ感じになる可能性
  • 笑ったときに膨らみが目立つ可能性
  • 塞栓症によって皮膚壊死や失明する可能性
  • 感染症
  • CRPS(複合性局所疼痛症候群):行った処置の程度に対して説明がつかないような大きな痛みが出る可能性

ヒアルロン酸注射は国内未承認薬品を含みます。
副作用・リスク:内出血、左右差、アレルギー反応、効果の乏しさ、凹凸感など
治療に用いる医薬品および機器は当院の医師の判断の元、個人輸入手続きをおこなったものです。

筆者紹介

著者
石川勝也
役職
プラストクリニック院長
資格
日本形成外科学会認定専門医
日本美容外科学会認定専門医(JSAS)
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