目の下のくま・たるみ・へこみに対するグロースファクター(成長因子)注入療法

ここでは目の下のくま・たるみあるいはくぼみに対する治療の一つであるグロースファクター注入についてお伝えします。

注射に使用されるグロースファクター(成長因子)には様々なものがあります。

 

そのなかの一つに繊維芽細胞増殖因子(bFGF:basic fibroblast growth factors)というものがあります。

もともとbFGFはキズ(けがや床ずれなど)の治りを早める目的で使用される製剤であり、キズが治る速さの効果は確かに使用すると実感できます。

 

その組織の回復(再生)を目元のクマやたるみ・へこみ治療に応用する理由は以下のようなものになります。

①かげやみぞを埋める(ふっくらさせる)

②皮膚に厚みを持たせてハリを出す

などです。

 

なので基本的にはボリュームを増やす注射だと考えていただければ大丈夫です。

ご自身の再生された組織でボリュームを作ることができ、脂肪注入のように脂肪採取という過程がないことが利点となります。

目の下の小じわに対するグロースファクター注入例

グロースファクター注射を行う場合に大切なこと

グロースファクターを注射するときに大切なことがあります。

それは「膨らませすぎないようにする」ということです。

 

当院でも様々なセミナーや学会に参加し、目元に限らずおこなってまいりましたが、その一点だけは必ず守りたいという思いで行っております。(ました。)

なぜ、「その一点だけは」と思うのかといいますと、目元のくまやたるみのご相談をいただく方々の中で以前に目の下のくまやたるみに対してグロースファクター(成長因子)の注入療法をお受けになられた方が膨らみ過ぎてしまいましたとのご相談をいただくことが複数あるからです。

目の下へのグロースファクター(成長因子)注入後の膨らみでご相談に来られた例

グロースファクター(成長因子)注入は適応があえばとてもいい治療法だと思いますが、目元に関してはそのようなご相談を少なからずいただきますのでかなり慎重にとらえています。

ですので当院では基本的には治療の第一選択にはしていません。

(現在は希望される方にのみ行います。小じわに対してはPRPにて対応することがほとんどです。)

 

ただし、美容医療にはどのような治療にも必ず欠点がありますので、ある一点のみを見てその施術方法の全てを安易に否定することはよくないと思います。

また、施術者の技量によって多分に結果が変わることもありますので、何もかもがひとくくりでは評価できないことがあります。

グロースファクター注射と脂肪注入の選択について

また、経結膜脱脂法をしたあとに脂肪注入とグロースファクター注入とどちらがいいですかと聞かれることがありますが、個人的には方針が全く違いますのでどちらがいいと言いにくいところがあります。

 

脂肪注入の場合には必ずその結果を出すという思いで行っております。

グロースファクター注入の場合には膨らみ過ぎはいやなのでどちらかというと控えめな結果になってしまう可能性があるというスタンスで行っております。

 

症状や目指す目元によってはグロースファクター注射に向いていない方がいらっしゃいます。

グロースファクター注入はいつでもできる注射なので、経結膜脱脂法と同時に行う必要はありません。

どちらかというと経結膜脱脂法でいったん結果をみていただいて、必要そうなら検討するのでもよいと思います。

グロースファクター注射によって膨らみすぎたときの対処方法

膨らみ過ぎた時の対処方法で最もよく行われている方法はステロイド注射を打つ方法だと思います。

日本美容外科学会(JSAPS)での諸先生方のご報告でもやはり、ステロイド注射の言及が多いように思います。また、確実にこうであるということも現段階では言えない状況であるようです。

万が一、ステロイド注射が必要になることがあった場合にはそのタイミングについてはそれぞれの担当の先生のアドバイスを聞かれるとよいと思います。

また、脂肪溶解レーザーによって対処されていることもあります。

当院の場合のグロースファクター注入のスタンス

今現在まで膨らみ過ぎたことは一度もありませんが、そのかわり効果が控えめな結果に終わってしまうということはありました。

膨らみ過ぎを絶対に防ぐと考えた場合には仕方がないことなのかなと考えております。

当院で経験したグロースファクター注入の副作用

目元の色素(おそらく後天性真皮メラノサイトーシス)が1ヶ月間ほど濃いくなる現象を一度経験しました。

美白剤の使用により1ヶ月ほどでなくなりました。

グロースファクター注入で懸念していること

グロースファクター注入で懸念していることの一つにどの組織が増殖するかということがあります。

グロースファクター(成長因子)自体はとてもさらさらした液体であるため注射した箇所のみにいとどまることはありません。ですので注射した「付近」での組織が増殖します。

たとえば、ゴルゴ線の深いあたりのくぼみに対する注射であればそれほど問題ではありませんが、目の下のくぼみと言われるあたりのクマに対してはどこの層が膨らむかということが問題になります。

万が一、皮膚や眼瞼部眼輪筋(眼窩部眼輪筋ではない)が必要以上に厚みを持った場合には将来的にたるみの原因になると考えております。

そのことを考慮して注射をする必要があります。

 

(念のための補足ですが、当院の場合は「グロースファクターおよびPRPを使用して注入時に瞬時にジェル化する方法」も採用していますので、その方法であれば周辺に流れていくということはありません。)

治療を選択するにあたって

なぜ、ご自身の症状に対してグロースファクター注射なのか。他の施術との比較、目元の世界標準治療からみた比較などをそれぞれの症例写真より教えてもらうとよいと思います。

グロースファクター注射のあり得るリスク・副作用・合併症

  • 期待するほど効果が出ない可能性
  • 予定よりも膨らみ過ぎる可能性
  • 炎症反応が長引く可能性
  • 顔がむくむ可能性
  • 内出血が強く出た場合に色素沈着が長引く可能性
  • いつ膨らむかが予期できないことがあり得ること
  • シコリができる可能性
  • 笑ったときに膨らみが目立つ可能性
  • 元々ある皮膚の色素が濃いくなる可能性