目の下のクマやたるみに対して裏ハムラ法を受けて将来どうなるのかな?
長期の経過はどんな感じかなと気になる方も多いと思います。
今回は裏ハムラ法術後8年後の経過のご紹介をさせていただきます。
私自身は裏ハムラ法と言われる眼窩脂肪移動術を2010年から開始して、2011年から本格的に始めました。
経結膜的眼窩脂肪移動術を当院では現在、経結膜的眼窩脂肪組み換え術と表現しておりますが、10年以上前は当院でも裏ハムラ法と称して手術を行っておりました。
今回ご紹介する方も裏ハムラ法として経結膜的眼窩脂肪移動術を行わせていただいた方になります。
手術後8年の術後経過を診せていただいたときのご本人様の考えは、左目の下(向かって右目の下)のへこみが少し気になってきたということでした。
確かに左目の下の低さが出ておりました。
後にヒアルロン酸注入で補正をさせていただきました。
今回は目の下の膨らみの再発は認めませんでした。
施術名:経結膜的眼窩脂肪組み換え術
リスク:腫れ、内出血、感覚の鈍さ、痛み、外反など
費用:49.5万円(税込み)
裏ハムラ法を行ったあとに、再び目の下の膨らみが出てくる可能性があります。
裏ハムラ法は目の下の眼窩脂肪を取り除いているわけではなく、存在させながら目の下のより良い形を作る治療であるため、経年変化として再発する可能性はあります。
ただし、手術前ほど出てくるということは通常ありません。
もともとの症状がどうかという問題はありますが、手術の中で再発しにくくするために最も影響があるのが、眼窩脂肪(膨らみの脂肪)をどのように処理をしてどのうように固定していくかという点です。
脂肪の処理の仕方一つをとってみても医師ごとに違い、固定方法についても様々に報告があります。
どの方法がよいと決めることは難しく、最も適切な方法それらを決めていきます。
それが、結果的に再発のしやすさ、しにくさに反映されると考えています。
裏ハムラ法(眼窩脂肪移動術)は眼窩脂肪を包んでいる眼窩隔膜を解放して、脂肪の処理を行います。
解放した眼窩隔膜をどうするかというのが医師の中でも分かれます。
当院ではハムラ法に準じて眼窩隔膜の固定を行っております。
この、固定が再発の予防になるという考え方がありますが、私はその考え方にはやや懐疑的です。
そうであったらよいなという気持ちはありますが、再発の予防になっているという確証はもてません。
固定しないよりはした方がいくらかは防げているのではという程度の考えです。
ときどきCPFを固定するという表現があるようですが、本当にCPFを固定しているのか?CPFの延長の眼窩隔膜を固定しているのか?は実際の手術をみないとわかりません。
脱脂と比べるとどうかということがみなさん気になるところかと思いますが、 じつはしっかり脱脂をすることが最もふくらみの再発が少ないと考えられます。
膨らみが二度と出てこないかという観点で見ればそういうことになるのですが、 そもそも、裏ハムラ法を行うというのは脱脂によるくぼみを極力回避するという目的も一つあるため、 裏を返すと脱脂ほど目袋をくぼませてないということになります。
逆に脱脂をほどほど行っておくことが現状最良ではないかなという症状や状況もありますが、その場合はやはり しっかり減らす場合よりも再発の可能性が上がるということになります。
万が一膨らみがまた出てきたときに手術はできますか? という質問もよく聞かれます。
結論から言うとまた手術はできます。
脂肪によるものであれば、再度眼窩脂肪を移動させる、あるいは減らすということができます。
ただし、簡単にできるというわけではありません。
癒着がありますすから、初回の手術よりかは難しくなります。
また、症状によっては表面の皮膚のゆるみということも考えられますので、その場合は皮膚の切開も視野に入ります。
今回は裏ハムラ法術後8年の方の症例をご紹介しました。
長期経過をご紹介できる機会はあまりありませんので今回は貴重なご紹介になりました。
今回ご紹介した方は基本的な形は維持されており、膨らみの再発はありませんでしたが、別の方で術後8年のときに拝見した方はうっすら膨らみが出ておりました。
完全ににそのままの状態が永遠に続くとは言えません。
それであっても眼窩脂肪を移動した 分のメリットはあったと言えます。