経結膜脱脂法を以前に受けたのですが、また再度脱脂をおこなうことは可能でしょうか。
というご質問をときどきいただきますのでお伝えしたいと思います。
結論から言いますと「可能です」。
よくお問い合わせをいただくのは
などあります。
眼窩脂肪が原因でおこっている膨らみであれば追加で処置を行えば減らすことが可能です。
が、初回手術ではないのでいくつか注意点があります。
ここでは再手術の際に考慮するべきことについてお伝えします。
経結膜脱脂法をお受けになられた後に一見目の下に膨らみがあるように見えた場合、そこには理由があって膨らみを残している可能性があります。
経結膜脱脂法はただ単に膨らみがあるところのみを治療すれば綺麗に見える手術ではありません。
内側が膨らんでいるように見えて、最もたくさんとるのは外側ということもあります。
また、経結膜脱脂法にともなう色の変化がありますのでその辺を考慮しながら眼窩脂肪を減らさないといけません。
また、シワの出かたや、話し合いの中でくぼみ感をあまり出さないようにするなどの按配で経結膜脱脂法を行うこともあります。
ですので、ただ単に膨らみが残っていると取り残しのように評価されることがありますが、実はそれは理由があっての結果の可能性があります。
その理由は個人個人の症状によって違いますので、まずは冷静に相談されることが大切です。
経結膜脱脂法を行うときに最も簡単に行えるのは初回の手術です。
2回目、3回目となってくると眼窩脂肪の癒着が強くなってくるので一筋縄では取りたい脂肪のみをとることが難しくなってくる傾向にあります。
癒着は分かりやすく言うと綺麗な脂肪同士がボンドでくっつけられたような状態になっています。
ですので、丁寧にそれらを解除しながら行わなければいけないので回数が増えるほど難しくなる傾向にあります。
経結膜脱脂法をお受けになられたあとに目の下に膨らみのように見える状態が必ずしも眼窩脂肪によるふくらみではない可能性があります。
よくあるのは眼窩脂肪よりももっと表面にある皮膚や眼輪筋という筋肉のゆるみによることがあります。
皮膚や筋肉が微妙にたるみとして寄せ集まって膨らみのように見えていることがありますので、その場合には眼窩脂肪の追加切除を行うとさらに皮膚のたるみが増してしまうということがあり得ます。
経結膜脱脂法とともにあるいはそのあとにヒアルロン酸注入やグロースファクター注入などをお受けになられている場合には、目の下に見えている膨らみが眼窩脂肪によるものなのか、それ以外の注入物によるものなのかが区別しにくい場合があります。
診察で注入物の可能性が高い場合には例えばヒアルロン酸による場合であればヒアルロン酸分解注射を優先してみることが大切です。
それによって何年も目の下の膨らみで悩んでいたのに解決したという方が少なからずいらっしゃいます。
その他の注入物による場合には、正直分解注射などでは難しいため、眼窩脂肪による膨らみの可能性が高そうなときのみ実際に中を確認して眼窩脂肪を減らすということになります。
目の下の経結膜脱脂法を受けた後に再度、経結膜脱脂法を検討しているときにはできれば3ヶ月はあけた方がよいと思います。
微妙な膨らみ感は完全にむくみが引いた後でないと評価できないことが多いからです。
また、ヒアルロン酸を注入したことがあれば、まずはヒアルロン酸を溶かすということをされた方が良いと思います。
ヒアルロン酸は必ずしも半年程度ではなくなりませんので数年前に入れたものであっても溶かしてからの評価されることをお勧めします。
経結膜脱脂法を受けれる回数はとくに制限はありませんが、過去に3回お受けになられていた方の4回目の手術はとても癒着が強い状態で、とても苦労した経験があります。