ここでは目の下のクマやたるみに対するレディエッセ注入について個人的な考えをお伝えさせていただきます。
「目の下のクマにレディエッセ注入はどうですか?」と時々質問をいただくことがあります。
一般的にレディエッセはヒアルロン酸より効果が長く持つ(1年半くらい)注入物として紹介されていると思います。
レディエッセとはカルシウムハイドロキシアパタイトを主成分とした注入物です。
骨や歯の成分ですので「硬い」と思われている方も多いですが、レディエッセは白く柔らかい注入物です。
注入されたレディエッセはやがて分解・吸収されると言われています。
実は私自身は目元のいわゆるクマというあたり(tear trough deformity)には注入をしたことがありません。
というよりは積極的にはお勧めしていません。
ヒアルロン酸とくらべると「分解することができない」という特徴があるからです。
目の下のくまやたるみを治療する目的でヒアルロン酸などを注射することはありますが、症状によっては改善に限界があることが多々あります。
そのようなときに例えばヒアルロン酸を入れていたとすればヒアルロン酸分解注射をしてリセットしてから手術を行うことが可能ですが、レディエッセが入っている場合にはそれが出来ないからです。
また、目の下のくまの治療をご相談に来られた方の中で以前にレディエッセを注入されていた方に対しては脂肪注入をお断りしたこともありました。脂肪の移植治療がうまくいく条件が整っていないというのが理由です。
その場合には吸収されるのを待ってから治療をすれば大丈夫ということになりますが、「やがて吸収される」という点に対しても私は少し疑問をもっております。
それは私自身が特別な経験をしているからです。
(詳しくは特別な経験をご覧ください。)(の予定)
レディエッセを注入するにあたっていわゆるゴルゴ線と言われるあたりのくぼみにはお勧めできます。(ただし、目の下のクマ付近には注入しないようにしています。)
頬前面のゴルゴ線あたりを持ち上げるように注入すると頬がリフトアップして見えるためレディエッセにしろ脂肪注入にしろヒアルロン酸にしろ良い適応があります。
ヒアルロン酸とレディエッセを比較したときに、このあたりに例えばヒアルロン酸を注入したときには人によっては独特のむくみ(?)のような顔貌になることがありますが、レディエッセは皮膚になじんだ良い質感になります。
ただし、目元の浅い部分に注入されたレディエッセは白っぽく見えますので注意が必要です。
・私自身、目元の手術を担当することが多く、分解できないレディエッセだと都合がよくないことがあるため積極的にはお勧めしていません。(入れるのは良くないということではありません。)
・頬前面の目元から離れたゴルゴ線付近のレディエッセ注射はヒアルロン酸と比べるとどういう訳か肌の質感がよくなるためお勧めできます。
(後々目元と一緒に脂肪注入を検討する場合にはやめておいた方が無難です。脂肪の生着率が低くなる可能性があるからです。)