目の下のくまでお悩みの方がよく当院にいただくご相談として「化粧品(ハイライトなど)では目の下のくまを隠せないのですが自宅でくまを消す方法はありませんか?」というものがあります。
軽度な症状であれば、自宅で解消できる症状もあります。
しかし、症状によっては家で対処が難しいものもあります。
このページでは、形成外科・美容外科の専門医が、クマの種類や原因から改善するための方法までわかりやすく解説していきます。
目の下のクマの種類にはいくつかあります。
詳細はここでは省きますが、主に色によるクマと形によるクマです。
【point】
色によるクマに対するメイクが最も効果的
自宅でご自身でできる目の下のくまの解消方法として巷で言われる方法は例えば以下のようなものです。
残念ながらこれらの対処法が実際に効果があるかどうかというところは疑問があります。
確実に効果が期待できるものはメイクによって隠せる色がメインのクマです。
逆に言うと、メイクで隠せないクマは医療によって形を整えなければ難しいことがほとんどです。
色によるクマを改善する方法として、ハイドロキノンなど皮膚科で処方される方もいらっしゃいますが、効果は極めて限定的です。
茶色のクマに対しては一部レーザー治療によって薄くなることがありますが、自宅ではなく皮膚科で受ける必要があります。
また、目の下をこする癖がある方はそれによる色素沈着が起きている可能性がありますので、その癖をやめることは意味があります。
目の下のくまのうち色素によるくまの原因は主に後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)というものです。
真皮という名前がついているだけあって表面ではなくもう少し深いところに存在している色素です。
後天性真皮メラノサイトーシスの治療はハイドロキノンだけでは不可能です。
そもそもハイドロキノンの役目は生成される色素を抑えることが中心であるため、レーザー照射およびトレチノインの塗布が推奨されます。
残念ながらレーザー照射もトレチノインの塗り方も一人で行うことは難しく医療機関でコントロールしながら行う必要があります。
たとえば、温かい濡れたタオルを目元に置いておくことや、寝る前にたくさん水分をとって寝た時の寝起きの状態などであれば人によっては一瞬改善したように見える可能性があります。
くまの症状によってはむくむことによって目の下の影がなくなったように見えて改善したように見えることがあります。
ですので、わざとむくんだ状態を作ることによって改善したように見せることができます。(ただし、一部の症状に限ります。)
残念ながらこの方法はむくみがとれると元に戻ってしまいます。
あるいは何かしらの施術で顔がむくんでいる状態のときに対しても目の下のくまも消えて好きだったと言われることがあります。
これらは意図したくまの解消ではなく、くまが改善したように見える現象がおこっていると言えます。
ちなみに、むくむ状態をつくることは血行が良くなることとは全然関係ありません。(話がややこしくなるので深くは触れませんが浮腫と血流改善は全く別物です。形成外科の常識です。)
メイクで目の下のクマを隠すことができるとしたら、目の下の形としては概ね問題がありません。
しかしながら、目の下のクマで困っている方の多くには形によるクマ(目の下の膨らみやへこみ)があることがほとんどです。
先ほどもお伝えしたようにメイクでクマが隠せないということは形を整える必要がありますが、この形を整えるということは簡単ではなく、実質的に医療以外ではあり得ません。
クマの色の原因として血行不良や眼輪筋の透けている色、色素沈着などが言われますが、これらを自力で改善することもやはり難しいため、メイクによる対処が手軽です。
ここでクリニックで受けれるクマの治療についてお伝えします。
クリニックで受けれる治療は影やへこみなどの形によるクマと、色に対するレーザー治療などがあります。
特に、形に対する治療は効果がわかりやすいという特徴がり、色に対するレーザー治療は効果を出すことが相対的に難しいです。
当院では形に対する治療を行っています。
以下にご紹介する方々は当院で治療をさせていただきました。
へこみや膨らみに伴う影を改善することによってクマが良くなっています。
このように目の下の形を整えるとクマが改善して見えます。
また、目の下の血行が良くなっているわけではありませんが、クマの色の治療を行わずとも全体としてはクマが良くなって見える傾向にあります。
この方々はどうして目の下のくまが改善傾向にあるのかということについては以下をご覧ください。
色々とお伝えしましたが、目の下のクマは簡単に治せるものではなく、様々な症状を考慮して改善を試みる必要があります。
様々な情報があり、何を信用してよいかわかりにくい世の中ですが、クマを本気で治したいと思った場合は専門の医師にご相談することをお勧めします。
できること、できないことなどを専門的にアドバイスしていただけます。
自宅で根本的に解決できる方法は現状なさそうです。
(もしあれば、是非当院にご連絡ください。できるだけ検証していきたいと思います。)
ここでは私の臨床経験の中でわかることを根拠を持ってお伝えしておりますが、それでもそれぞれの解消方法に納得がいけば個人個人で試されてみるのはよいと思います。
納得感のためにあれこれ試すことは悪くありませんが、「遠回りしてるかな?」と感じたら、クリニックで相談してみましょう。
必ず解決できるということではありませんが、改善する可能性はあがります。