当院では目の下のクマやたるみを改善するときに脂肪注入を併用することが多々あります。
目の下のクマ・たるみ用の脂肪注入は2種類の加工方法で行っています。
一つは微細分離脂肪注入でもう一つはマイクロCRFになります。
ちなみに、脂肪注入による豊胸術の場合はコンデンスリッチファット(CRF)という状態にして注入します。
ここでは当院で行っているオリジナルの脂肪加工方法である微細分離脂肪注入について説明します。
微細分離脂肪注入の特徴は一回の脂肪吸引(脂肪採取)で2種類の脂肪の状態を作り出す点です。
目元のへの脂肪注入の場合、涙袋の下から頬にかけてできるだけなだらかな形を作る必要がありますので、
皮膚がごく薄いクマのエリアおよびその下の頬前面のエリアにかけて脂肪を注入していきます。
実際には行ったり来たりしながら細かく注入します。
どれくらい細かいかというと、1ccの100分の1から100分の3程度ずつ注入します。
そして、クマのエリアには特に微細な注入が必要です。
それほど微細に注入するためにはものすごく細かい脂肪が必要になります。
そのものすごく細かい脂肪が微細分離脂肪の1種類(ここでは微細分離脂肪Bと呼びます)になります。
もう1種類の(ここでは微細分離脂肪Aとよびます)ものも1ccの100分の1から100分の3程度には注入できますが、もうすこしだけ粒が大きなものになります。
微細分離脂肪Aは主に立体感をつくるために注入をしています。
目の下の脂肪を注入するためには頬との位置関係が重要になってきます。
そのために、浅いところにも深いところにも脂肪を注入しながら立体感を作っていきます。
先ほどもお伝えしましたが、微細分離脂肪Bは極めて細かい脂肪です。
これは30ゲージという極細針を通るくらいが一つの基準になります。
フィルターを使用して抽出します。
それほどの細かい脂肪があって初めて目の下のクマのエリアに細かく分散しながらの注入が可能になります。
目の下のクマやたるみに対して注入を行う場合は一か所に入れるというよりは全体をみながらいろいろな角度で細かく入れていきます。
ですので微細分離脂肪はAもBも全く分けて使うというよりは混合して注入することが多いです。
マイクロCRFも30ゲージを通る脂肪ですが、マイクロCRFとの違いはその加工方法で、マイクロCRFの場合は機械で細かくして作成します。
微細分離脂肪Bは特に機械的に脂肪を壊すことなく抽出します。
マイクロCRFは機械で何段階かで処理をしていきますので消耗品がたくさん出てしまう分、コストがかかってしまうというデメリットがあります。
基本的に目指す目元の形は同じですが、定着率はマイクロCRFの方がよい印象です。
この定着率は無視できないテーマでして、いかに脂肪を定着させるかということにかなりエネルギーを注いで注入します。
目の下のクマのエリアはとても薄くて繊細は場所なので、注入には非常に技術を要します。
また、その技術の下支えとして注入しやすい脂肪の状態に加工する必要があります。
当院の独自の脂肪の加工方法を微細分離脂肪と呼んでいます。