目の下の膨らみに対して経結膜脱脂法を行ってもクマが改善して見えないことがあります。
今回はその例についてご紹介いたします。
上記症例では膨らみに対して経結膜脱脂法のみを行っております。
術後1ヶ月の時をみていただきますと膨らみはある程度なくなり、赤いクマは消失しておりますが、目の下の色調はやや暗くなっております。
これは二つの要素が関係しています。
①一つ目は「脱脂に伴う色味の変化」によるものです。
②もう一つは輪郭による要素です。膨らみが無くなった時の光の当たり方が目元と頬で違うからです。
術後1ヶ月のときに比べて術後3ヶ月のときの方が弱冠クマが改善して見えると思います。
実はこれはクマが良くなったのではなく、写真を撮るときの顔の角度の違いによるものです。
これを理解するには「目の下のクマの色と形の関係」を理解する必要があります。
そして目元のクマだけを見ていてもどうしてクマがあるのかが理解できないと思います。
目元から口までの輪郭を見ないと経結膜脱脂法でクマが改善するかどうかは評価できません。
日常生活でクマが改善して見えるようにするには「クマが改善して見える目元から頬にかけての形」にする必要があります。(症状によっては限界もあります。)
症状によっては経結膜脱脂法だけではなく経結膜的眼窩脂肪移動術や(微細分離)脂肪注入の併用をご提案する理由がまさにここにあります。
経結膜的眼窩脂肪移動術(裏ハムラ法)は①に強く、脂肪注入の併用は②に効果的です。
経結膜脱脂法はたるみや膨らみの治療にはなってもクマの治療にはならないことがあります。
今回の症例のようにご本人様が納得されていれば全く問題はありません。
膨らみの減らし方は手術中にご本人様と相談しながら決めました。
術後の評価としては、今回は左目の下(向かって右目の下)にあと少し膨らみが残って見えました。
ご本人様は気にならないとのことでした。
気になるようでしたら再度追加で膨らみを減らすことは可能ですが、色調はさらに暗くなります。
*補足
術後1ヶ月と術後3ヶ月の比較のように少し顔の角度が違うだけでもクマは見え方が違いますのでクマの症例写真を評価するときにはその点に注意することが大切です。
また、わずかなむくみがある状態でもクマは改善して見えますのでむくみが完全にひいた状態(3ヶ月から半年以上)で評価をすることが大切です。