目の下の膨らみやたるみを予防することはできるのでしょうか

目の下の膨らみやたるみが気になる方はもうこれ以上症状が出てほしくないと思うことでしょう。

そこで今回は目の下の膨らみ・たるみに対する予防について現実的に考えてみました。

目の下の膨らみ・たるみとは

目の下の膨らみとたるみは考え方として区別する部分と重なる部分がありますので確認のためにこちらの「目の下の膨らみについて(たるみとの違い)」をまず読まれてください。

目の下の膨らみ・たるみの予防方法には2種類に分けれる

目の下の膨らみやたるみの予防方法は大きく二つに分けることができます。

一つは何かを積極的に行う、または取り入れることによって予防をしようという試みです。

もう一つは、今の生活習慣の中から目の下の膨らみやたるみの悪化を促してしまうものをできるだけ避けることによって予防しようという試みです。

■積極的な予防方法に対する考察

目の下の膨らみやたるみの積極的な予防方法としてよく取り上げられるのは眼輪筋を鍛える運動やリンパマッサージなどです。

リンパマッサージはともかく眼輪筋を鍛えるというのはある意味において理に適っています。

眼輪筋がとてつもなく分厚くなれば多少、膨らみが抑え込まれる可能性があるからです。

しかしながら、眼輪筋を鍛えるのはそう簡単ではありません。

眼輪筋は常日頃表情を作るたびに動いているわけで、そのような運動の延長線上をしていても鍛えることは不可能だからです。

筋肉が分厚くなるには日常生活レベルの力ではなくはるかに強い力を出せる環境でなければ超回復は望めません。

その意味において本当に眼輪筋を分厚く鍛えることができるのかは疑問が残るところです。

仮に、眼輪筋を分厚くすることができたとして、そのとても辛い筋力トレーニングを辞めてしまうとそこから緩んだ眼窩脂肪が膨らみとして一挙に出てくる可能性もあると思います。

眼輪筋を鍛えて膨らみやたるみを予防するということは今にもあふれ出そうな冷蔵庫の中身を解決することなく扉を強くしましょうと言っているようなものだからです。

また目の下の「クマ」と「膨らみやたるみ」は密接な関係があるにも関わらず、「目の下のクマ」の解消法と称される目元のマッサージはたるみを悪化させるという矛盾まで存在します。

目元のクマやたるみ・膨らみについてどの程度考察をした上でそれらの予防方法として紹介されているのかをしっかり確認することが賢明です。

時間と労力の無駄、あるいはクマの症状の悪化などがあり得ることを心に留めておくことが大切です。

■悪化する要因を取り除く予防方法

現実的に今の症状より悪化させないようにするという意味においては、今ある悪い習慣を無くすことがよいと思います。

例えばやたら目の下の皮膚を引き延ばすようなマッサージをしないようにすることです。

形成外科では必要があって様々な部位の皮膚を引き延ばす手術があります。

皮膚を引き延ばして他の部分の組織欠損を覆う目的で行います。

つまり、人の皮膚は引き延ばそうとすれば実際に引き延ばすことができます。

皮膚を引き延ばすような動作はたるみを悪化させる方向にいってしまいます。

目の下のたるみが気になってしょっちゅう目元を触っていますという方に出会うことがあります。

たるみがあるから触るのだと思いますが、触るから余計にてるんでいるのかな?とも思えてきます。

真偽はわかりませんが、できるだけ触らない方がよいと思います。

目の下の膨らみ・たるみの予防方法について冷静に考えると分かること

そもそもまことしやかに言われている予防方法はいったいその効果をどのように評価することができるのでしょうか。

ある施術を3年間行い続けた場合と行わなかったときとで比べることができるのでしょうか。

3年間行い続けた結果、たるみが大して進行しなかった場合にその施術のおかげで予防できたと考えるのはちょっと違います(間違いです)。

「私は効果があった」ととらえるのかどうか、はかなり個人の主観になってしまいます。

ここで出てくるのは統計学的な評価です。

同じ症状の人たちをたくさんモニタリングして、施術を行った群と行わなかった群を比べてその効果を統計学的に有意差があるかどうかを調べることが必要です。

もし、有意差がなかったとしたらその予防方法は「予防できる雰囲気がある」施術ということになります。

あやふやなまま何となくご自身の症状を悪化させてしまうようなことはできるだけ気をつけた方がよいと思います。

筆者紹介

著者
石川勝也
役職
プラストクリニック院長
資格
日本形成外科学会認定専門医
日本美容外科学会認定専門医(JSAS)
PVアクセスランキング にほんブログ村